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紅茶とお水はとても大切な関係

英国老舗紅茶商「リントンズ」の4代目代表サイモン・スミス氏は、「紅茶とお水はとても大切な関係だ」とよく話します。

今日は老舗紅茶商のティーブレンダーとしての知識も経験も豊富なサイモン氏が大切だと語る『紅茶とお水の関係』についてご紹介したいと思います。淹れ方にフォーカスされがちな紅茶ですが、意外と知られていない『お水』との関係。英国紅茶に興味がある方にはぜひチェックしていただきたい内容です。

地域によってお水の硬度の違う英国。そのため美味しい紅茶をお土産にする時も、お水の知識はとても大切です。ブレンドティーが主流の英国では、ティーブレンダーによりその土地のお水に合わせて、茶葉をブレンドしていることも多いそうです。

日本では英国というと硬水のイメージがあるようですが、実は、イングランド北部やスコットランド等は軟水の地区なんです。創業当時は馬車で、いまでもバンで紅茶を宅配しているリントンズの販売エリアは日本と同じ軟水の地区で、“軟水用ブレンドの紅茶”です。日本の水道水(軟水)で美味しい英国紅茶が楽しめるのは魅力です。

2015年の10月に開催された阪急うめだ本店「英国フェア2015」に初来日したサイモン氏&スー夫人。お二人のティーレッスンで紅茶を淹れる時に、サイモン氏は何度も確かめるように、日本の汲みたての水道水を味わい、「日本のお水は素晴らしい!」と言っていました。空気をたっぷり含んでいる、リントンズの紅茶に合う素晴らしいお水だそうです。

サイモン氏は「日本のお水は美味しいリントンズ紅茶を淹れられる」と言います。英国フェアの翌年、イギリスで再会した時も言っていたそうです。


日本からの観光客も多いロンドン等イングランド南東部はハードな硬水。そのため、ロンドンで売られている紅茶は“硬水用ブレンド”が多く、スーパーマーケットの定番紅茶でも実は“硬水用”“軟水用”とあり、有無を言わさず硬水の地区は“硬水用”が置いてある場合もあります。

このように英国紅茶は、“硬水用ブレンド”と“軟水用ブレンド”とお水の硬度に合わせてブレンドされていることが多いです。

それはあえて表示されていなくても、紅茶商のティーブレンダーであれば、テイスティングする時にその地域のお水の性質も考えるので、硬水地区のロンドン紅茶は“硬水用ブレンド”であったり、軟水地区のスコットランド紅茶は“軟水用ブレンド”と認識していたりします。ブレンド技術が高い英国紅茶ならでは、です。

“硬水用ブレンド”と“軟水用ブレンド”、紅茶の味にも違いがあります。

硬水で淹れた紅茶はどっしりとした、飲み応えがある紅茶で、色は濃く出やすく、紅茶の色も赤黒く見えます。
軟水で淹れた紅茶は口あたりが柔らかく、飲みやすい紅茶で、色は美しい紅茶の茶葉本来の色が出ます。

そのため、美味しい紅茶に合うのは、“軟水”なんです。

“硬水”はタンニンの抽出が抑えられ、渋味が出にくいので、「美味しい、飲みやすい」と感じやすいこともあるかもしれませんが、それは茶葉本来が持つ味を楽しんでいるということではないそうです。

“軟水”は茶葉本来が持つ水色、香り、味がストレートに出ます。簡単に言うと、茶葉の質をストレートに味わうことになります。質の良くない茶葉を使うと、渋味やエグ味がハッキリと出ます。

「リントンズ」を軟水で淹れても、渋味なく、飲みやすいのは、いかに新鮮で上質な茶葉を使っているかという証なのです。軟水で淹れた時の繊細な紅茶の香りやまろやかな味には感動します。

一般的に、紅茶に限らず、コーヒーや日本茶など飲料に適しているのは“軟水”と言われています。だから日本でも「茶の湯の文化」が根付いたのです。これも意外と知られていないことかも知れません。



「イギリスでいただく紅茶が美味しいのは、硬水だからだ」「同じ紅茶でも日本で飲むと、イギリスで飲んだ時の味と違う」という話もよく聞きますが、ここにもお水の硬度の違いが隠れています。

まず、「イギリスで飲む紅茶が美味しいのは、硬水だからだ」というのは、イギリスの硬水用ブレンド紅茶を硬水で淹れているから抽出が上手くいき、美味しく感じるのであって、その硬水用ブレンド紅茶を日本の軟水で淹れても上手に抽出できません。水に合わせてブレンドされていますから、その水で飲んだ方が美味しいということです。

また、「同じ紅茶でも日本で飲むと、イギリスで飲んだ時の味と違う」というのは、同じイギリスの硬水用ブレンド紅茶を日本の軟水で淹れたら味が違うということです。イギリスの紅茶でも、軟水用ブレンド紅茶を日本の軟水で淹れたら、イギリスで飲んだ時の味と一緒です。

紅茶の味で、何か違うと感じる背景には、このような水の硬度に関するイギリスと日本の違いも大きく関係しています。

硬水用ブレンドの紅茶を日本の軟水で淹れてみると、色だけが濃く出てしまい、紅茶茶葉の味やコクが上手く抽出できません。抽出時間を短くしたら、色は薄くなりますが、かなり物足りない風味です。

紅茶はじっくり蒸らしてあげてこそ、茶葉本来の味が楽しめるのです。


因みに、フランス、ドイツ等のヨーロッパはハードな硬水です。ですから、ヨーロッパでは軟水地区が意外と多くあるイギリスについて「軟水だから、紅茶が美味しい」と言われているそうです。フランス等はロンドンよりも更にハードな硬水なので、フランス紅茶もドイツ紅茶も“硬水用ブレンド”であることが多く、さらにはブラックティーよりフレーバーティーが多いのです。日本の軟水で淹れると、フレーバーの香りだけが強く出てしまい、茶葉の味が出ないフレーバーティーになってしまうのはそのためです。

日本で飲む時は硬水で淹れたほうが良いとも聞きますが、そもそも紅茶等の飲料は軟水の方が美味しく淹れることができます。

そして、紅茶のお水は“汲みたてのお水”でなければ美味しく抽出できません。ここがとっても重要なポイントなんです。美味しい紅茶になるには、お水に含まれる空気がとても大切で、硬水のペットボトルのお水は空気を含まないものが多いです。

日本で美味しいブレンド紅茶を楽しむのであれば、日本のお水に合わせて“軟水用ブレンド”を探すのが一番です。軟水用のブレンドであれば、日本の水道水を“汲みたて”で沸かし、簡単に上手に美味しく淹れることができます。日本の家庭には美味しい紅茶を淹れられる水道水(軟水)が豊富にあるのですから、難しくないことです。むしろ理想です。

そこから、自分が好きな茶葉や品質、ブレンド等の紅茶を選べば、帰国後もより美味しいティータイムが楽しめると思います。


このように『紅茶とお水の大切な関係』をご紹介しましたが、他にも、美味しい英国紅茶をお土産で選ぶ時に大切なポイントがあります。それは、紅茶のパッケージです。

茶葉はとても繊細なものです。農作物なので新鮮さ、そして、その茶葉の品質管理はとても大切です。売られているパッケージのデザインも重要ですが、茶葉がどのような状態で保存・パッキングされているかも、注目してください。

なぜなら、茶葉は酸化してしまうと、茶葉本来の香りもなくなり、淹れたときに、酸化による舌に残るような渋味やエグ味の原因にもなります。

紙箱にそのままガサッと入っている茶葉やティーバッグや内側がアルミに保護されていない袋にそのまま入ってしまっている茶葉はどんなに上質な茶葉を使用していても、酸化スピードが早くなります。そもそもパッケージの状態で中身の茶葉が見えてしまっているような透明な袋では、なお茶葉酸化を進めてしまいます。空気に触れていなくても、直射日光の影響がでるからです。

昔から新鮮茶葉にこだわり続けているリントンズのパッケージは、外気や湿気による茶葉酸化を避けるため、
独自開発のアルミパック保存でパッキングしています。
一般的にはアルミパックに密封包装された紅茶の方がずっと長く、香味を保てると言われています。更には、リントンズのように大袋入りのほうが少量パック品に比べて保存が良いとも言われています。このように紅茶は、保管状態により品質劣化の速度が大きく違ってきます。

紅茶にこだわっている英国人は、紅茶の保管方法は大切だと言います。そのため、最近では他の紅茶商やスーパーに売られている英国紅茶も、このようなアルミパック保存のパッケージが驚くほど増えています。これは紅茶の国らしく、他国より発展しているものだと思います。


リントンズのスローガンは「Fresh tea is better tea」です。
「どんなに上質な茶葉を育てても、茶葉を摘採後、新鮮な状態で保管・輸送・パッキング出来なければ、美味しい紅茶に出逢えない」と。リントンズは1990年代に入ってから、農園からの茶葉輸送に使う真空アルミパックを開発したり、茶葉を摘採してから新鮮な状態で保管・輸送することも徹底的に研究してきました。

茶葉摘採後48時間以内に真空パックをしたうえで輸送を行い、ブレンドからパッキングまでも48時間以内に行う等、新鮮さに関しては、紅茶商の中でも、かなりのこだわりを持っています。「これからもどんどんこだわって行くことになる」とサイモン氏は言います。

さらに、上質な茶葉を酸化させないように、アルミパックでパッキングし、お客様の手元に届き、愛飲してもらう時のことまで考え、徹底的に茶葉の品質管理ができるよう、パッケージされています。

リントンズがそこまで真剣に考えるのは、摘採した上質な茶葉の新鮮な状態を維持することで、茶葉酸化を抑え、いつでも茶葉が本来持つ、芳醇な香りと濃厚なコクが味わえるからです。


私達にとってリントンズ紅茶は、おもてなしにも、おうちティータイムにも、一人ティータイムにも、なくてはならないものです。そのため、紅茶をお土産ではなく、逆に紅茶を旅行に持って行きます。旅先でもホテルに戻った時にホッと一息をつきたいのです。現地で見つけたお菓子と一緒にティータイムして、美味しかったら、リントンズ紅茶に合う、そのお菓子をお土産にすることもありました。そう思うと、相棒のような存在です。

やはり旅先によって、お水が違うので、同じ紅茶でも味が違うこともありますが、英国リントンズ社で飲むリントンズ紅茶と日本で飲むリントンズ紅茶は嬉しくなるくらい一緒なんです。

ますます美味しい紅茶とお水はとても大切な関係だと実感しています

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