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英国リントンズ直伝の紅茶講座

阪急うめだ本店「英国フェア2015」で、10月7日(水)~11日(日)の間、1日2回開催された英国リントンズ社代表サイモン・スミス氏&スー夫人による直伝の紅茶講座「How to make a Ringtons cup of tea」。

WEB事前申込制で、申し込み開始から早い回だと2分ほどで、すべての回が僅か10分で満席となり、その後も「どうしても参加したい」とお問合せがあるほど人気の講座でした。

スミス夫妻も、このティーレッスンを毎回楽しみにしていて、回を増すごとに、あれこれスミス流のおもてなしになっていました。

ただ、紅茶は絶対「ゴールド」にこだわっていました。なぜなら、スミス夫妻が日常でも楽しんでいる“我が家の紅茶”だからです。

日本でよくある“紅茶講座”とは全く違う、英国の“紅茶講座”だったので、ここでたっぷりご紹介したいと思います。

英国からやってきた、本物のリントンズ馬車を眺めながら、サイモン氏の話を聞きながら、スー夫人の淹れる紅茶を楽しんでティータイムする時間は、とても貴重なことだったと思います。スミス夫妻の家に招かれたティータイムというイメージです。


まずはサイモン氏によるリントンズの紅茶商としての歴史や馬車、紅茶について、いろいろな話をしていました。

リントンズは1907年創業の英国で100年以上続く紅茶商です。日本では、いまも英国人にリアルに愛され続けている英国「Tea Merchants(紅茶商)」の紅茶は貴重だと思います。



紅茶商リントンズの創業者のサミュエル・スミス氏のように、ボーラーハットに、ヒゲを英国フェアのために伸ばしたことなど可愛いお話も。

余談ですが、帰国する前に、ホテルでヒゲを剃ったというサイモン氏。スー夫人が「私の旦那さんが戻ってきた!」と喜んでいました^^

そんなお二人の自然体で仲睦まじい様子はティーレッスンでも伝わり、なごやかな雰囲気の講座でした。


紅茶を淹れるのはいつも奥様のスー夫人。
英国のご自宅でも紅茶を淹れるのはスー夫人なんだとか。

サイモン氏が冗談でケトルのお湯を2度沸かししようとすると、スー夫人に怒られる、という話をしていました。
お湯を2度沸かししてしまうと、お水の中の空気が逃げてしまい、美味しい紅茶が淹れられないのです。

リントンズ紅茶の宅配地域のイングランド北部やスコットランドは軟水です。つまり、リントンズ紅茶は日本と同じ軟水地域で飲まれている“軟水用ブレンドの紅茶”なんです。同じ軟水ということもあり、サイモン氏は
「日本の軟水(水道水)はとても素晴らしい!」と何度も言っていました。

ティーレッスンが始まる前には、「汲みたての水を使えるのか?」と水道のある場所を気にしていました。サイモン氏は「紅茶とお水はとても大切な関係」だと話しています。

6人の参加者とスミス夫妻、8人分の紅茶を淹れるために、ティーポットに「ゴールド」のティーバッグを4包淹れて、1700ccのお湯を注ぎ、いつも“4分蒸らし”と言っていました。

スー夫人本人も長年のリントンズ愛好家(リントニアン)です。


この時、必ずティーコジーを使っていました。ティーコジーは、紅茶をじっくり蒸らすのに必須アイテムです。英国ではおもてなし用ではなく、日常に使うものです。


ティーコジーで紅茶を蒸らしている間に、マグカップに先にミルクを注いでいました。英国人が大切にしている“Milk in first”です。

ミルクは市販の牛乳(パック)でしたが、スー夫人から
「ミルクは、ティーレッスンの直前まで冷蔵庫から出さないでね」と何度も言われました。美味しいミルクティーには、フレッシュミルクが大切なのだとか。


紅茶はいつもリーフ(茶葉)で淹れて、難しく考えていたというお客様も、スミス夫妻の話を聞いて、ティーバッグに対するイメージが大きく変わったと仰っていました。

リントンズ紅茶は「誰でも、簡単に、美味しい」紅茶を淹れることだけを考えて作られています。シンプルに言うと“美味しい紅茶は何か?”ということを大事にしているということです。

お客様の中には「リーフとティーバッグ、どちらが良いですか?」と質問されている方もいましたが、この質問の意味自体がスミス夫妻には「?」となっていました。英国には、リーフとティーバッグ、どちらが良いという概念がないのです。

それよりも、紅茶の茶葉の質、どこで作られたのか、どこから輸入されたのか、どの茶葉がブレンドされたものなのか、どのように保管されていたのか、良いかどうかの判断基準はこれらです。

何より大切なことは“美味しい紅茶があることで、日常が少し豊かになる”という、自分自身のライフスタイルに合った感覚なのです。

スミス家の我が家の紅茶「ゴールド」。

現在、リントンズ紅茶の85%位がケニアなどアフリカからの輸入茶葉を使っています。インド、スリランカより新しくきれいな土壌で、ミネラル豊富、若い茶木から上質な品質の茶葉を採り、48時間以内に真空パックしてイギリスへ送り、専属のティーブレンダーにより素早く加工されています。お客様が保管することまでを考えて、リントンズの外装アルミパックは、茶葉が新鮮な状態を保てるように考えられていることも話していました。開封後もこのアルミパックのままで保存して頂くとベターで、その際はある程度中の空気を抜き、口をしっかり閉じてください、と。
サイモンは“Wクリップ”がおすすめだと言っていました。

紅茶は常温保管で、冷蔵庫や冷凍庫に入れてはいけないのです。茶葉には脱臭・消臭効果があるので、人間が感じない程度の冷蔵庫の香りを少しずつ吸い取って、味が変わっていきます。そのため、リントンズでは常温で保管できるようアルミパックで包装。新鮮茶葉について、他ではなかなかない拘り様です。

これがリントンズが“フレッシュティー”と言われる理由です。

「ゴールド」は雑味のない甘みの深い紅茶。
この甘さを損なわないよう、お砂糖は入れないで、
ミルクティーで飲んでほしいとサイモンはいつも言っていました。


どんな喧騒の中でも、スミス夫妻は周りを気にせずに、参加してくれた6人とのティータイムの時間を大切にしている様子でした。

きっと、いつも色々な“紅茶講座”に参加されているお客様には、大きくイメージの変わる“紅茶講座”だったと思います。英国には、そもそも英国人が通う“紅茶講座”“紅茶学校”というものが存在しません。なぜなら、英国では美味しい紅茶は人それぞれ、“我が家の紅茶”を家族、友人などと一緒に楽しむコミュニケーションツールだと考えています。

“我が家の紅茶”は教えることも必要なければ、教えられることもないのです。あるとすれば、“我が家流の淹れ方のコツ”のようなものだけです。

英国リントンズ代表スミス夫妻による “英国リントンズ流の紅茶講座”は、「100年続く老舗の英国紅茶商としてのこだわり」と「スミス家流の淹れ方のコツ」、そして一番は「皆と素敵なティータイムの時間を過ごすこと」でした。



スミス夫妻の帰国日。

お二人は帰る直前に、「英国フェア」のリントンズショップで一緒に働いてくれたスタッフ達のために、“一杯の紅茶を淹れる”とティーポットでお気に入りのブレンド「ゴールド」をミルクティーにして、“お別れの一杯”を作ってくれました。

そこで、ちょっとした秘話が!


スミス夫妻が“お別れの一杯”を淹れ終わり、支度をして、帰ろうとしていたら、休憩中だったスタッフの一人が戻ってきました。そのスタッフが“お別れの一杯”を飲んでいないことに気付き、二人は、帰り支度したジャケットやストール等を脱いで、また、その一人のスタッフのために紅茶を淹れていました。

そのスタッフもとても嬉しいと感動していました。

紅茶の、ティータイムの真髄を見たように思いました。紅茶は、人に心を伝えることが出来る素敵なツールだと。
ティータイムで大切なのは、この気持ちなんだと。

リントンズティーを飲むと、何故かホッとする、豊かな気持ちになれる理由が一つ分かったような気がしました。

お客様の中にも感動したり、お二人の人柄に涙する人までいました。「満席で申し込みは出来なかったけれど、見に来ました!」という方もいらっしゃり、すっかりお二人のファンになってしまった方も多く、開催中何回も会いに来てくださったお客様も沢山いらっしゃいました。

英国老舗の紅茶商の代表夫妻サイモン氏&スー夫人の講座から教わったことは、紅茶は、人に心を伝えることが出来る素敵なツールだということでした。

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